活動レポート | 2013年03月26日 | 12,908 views | Posted by vochkun
こちらの研修合宿に講師として呼んでいただいたので、ついでに以前から関心のあった「福祉情報技術コーディネーター認定試験」の2級を受けてきました。
講師なのに何故か受験生という自分でもよく分からない立場での参加でしたが、知的・発達障害以外の支援技術については、これまで学ぶ機会がほとんど無かったので、改めて勉強する良い機会でした。
福祉情報技術コーディネーター認定試験とは?
財団法人全日本情報学習振興協会がおこなう認定試験の一つです。以下、公式サイトより引用。
福祉情報技術コーディネーター認定試験では障害者(高齢者を含む)のために、コンピュータによる支援技術と、補助機材をその障害に応じて結びつけ自立をサポートできるように、操作技術を教える指導者としての能力を認定します。
Windows 8、iPad、Androidに関する問題が新たに登場
今回、受験に望むにあたり、参考テキストや過去問題集で一応勉強したのですが、試験当日、問題用紙を見てビックリ!
ちょwおまwww なんと今回の試験からWindows 8、iPad、Androidに関する問題が追加されているではありませんか!
以下、該当する問題を抜粋します。
問題:OSはパソコンのアクセシビリティについて書かれた以下の文章を読み、正しいものは◯、間違っているものは☓で答えなさい。
A. Windows 8のスクリーンキーボードはサイズの変更も可能である。
B. Windows 8のスクリーンキーボードはオートスキャン機能が搭載されている。
C. Androidには音声出力機能が搭載されている。
D. Androidのオンスクリーンキーボードにはオートスキャン機能が搭載されている。
E. iPadには特定のアプリを画面から消してアクセスを制限できる機能がある。
皆さん、上記の問題を見て、すんなりと答えられますか? 私は結構悩みましたよ、ええ。以下、参考までに私の回答例です
A:これは◯ですね。Windows 7以降、スクリーンキーボードのサイズが変更できるようになりました。
B:これも◯ですね。一般にはあまり知られていませんが、オートスキャン機能(1スイッチで文字選択)は、Windows XPの頃から装備されています。
参考リンク: Windows 8 のアクセシビリティ機能 – マイクロソフト
C:これは微妙な問題です。私は思わず☓と答えてしまいましたが、後になって読めば読むほど◯な気がしてきました (;´д`)
Androidには、設定の「ユーザー補助」の中に「TalkBack」という音声読み上げ機能が付いていますが、Androidのバージョンによっては、別途音声エンジンや日本語音声データをインストールする必要があり、「標準で搭載されている」と言えるかどうか判断に迷うところです。
D:うーん、これは☓ですかね。追加でインストールするIMEによっては対応しているものもありそうですが、標準機能としてはまだ無い気がします。
参考リンク:
- Android のアクセシビリティ機能 – Website Usability Info
- Google提供のAndroidバリアフリー機能「TalkBack」「SoundBack」「KickBack」 – APPREVIEW
E:iOSに関する問題ですが、うーん、これも解釈の仕方によっては◯とも☓とも言えますね。一応、「機能制限」でSafariやFaceTime等の標準アプリをOFFにできるので、私は◯と答えましたが、はたして。。。
参考リンク:
- iPadのアクセシビリティについて – Apple JAPAN
- 機能制限についての解説 - Keaton.com ブログ
OAKとDropTalkも登場!
試験の後半で、支援技術サービス/機器の写真をみて、それがどの障害種別に当てはまるのかを答える問題があります。選択肢は、ア) 肢体不自由、イ)視覚障害 ウ)聴覚障害 エ)言語障害・認知障害・知的障害の4つから選びます(選択肢の分類も以前に比べて分かりやすくなりました)
定番の点字プリンタや聴覚障害者用屋内信号装置らに加え、今回は何と「OAK」と「DropTalk」の写真が含まれていました!
OAK(オーク)とは、東京大学先端科学技術研究センターと日本マイクロソフトが共同開発した革新的な支援機器です。脳性まひや脊髄性筋萎縮症(SMA)などの重度の障害がある方の僅かな動きをKinectセンサーで検出し、パソコンやスイッチ操作を可能にします。
私自身も今回の合宿で初めて実演デモを見せてもらい、その大きな可能性を実感しました。近日中に販売開始されるとのことなので、超期待ですね。
てことで、解答はもちろん、ア)肢体不自由ですね。
- 重度障害者活動支援ソリューション OAK – 株式会社アシスト・アイ
DropTalkは、特別支援教育の現場では超有名な絵記号ライブラリ「Drops」を組み込んだコミュニケーション支援アプリです。従来からのiPhone版に加え、iPad対応版が先日リリースされて、ますます使いやすくなりました。
合宿初日の私のセッションの中で、偶然にもDropTalk HDを紹介させてもらったので、今回受験された方のお役に少しは立てたかも?なんて思って、試験中に一人でニヤニヤしてしまいました ( ´ ▽ ` )
てことで、解答は エ)言語障害・認知障害・知的障害ですね。いや、肢体不自由や聴覚障害がある方のVOCAとしても使えるぞ!などと深読みしてはイケません(笑)
- DropTalkについて – DROPLET PROJECT
DropTalk HD (¥2,500)
|
※2013年3月31日まで、通常3,000円→2,500円でセール中とのことです。現在の価格や対応機種はApp Storeにてご確認の上、ダウンロードしてください。
福祉情報技術コーディネーター認定試験について
ICTを活用したAT(支援技術)に関しては、技術の進歩に合わせて、どんどん新しい機器が登場してきています。スマホやタブレット端末もその一つですね。認定試験の方でも、そういった新しい技術をタイムリーにキャッチアップするというのは素晴らしいことだと思います。試験を受ける側は勉強する事が増えて大変ですが(苦笑)
一般向けの福祉情報技術コーディネーター認定試験は、年に2回開催されていまして、次回は2013年8月4日におこなわれるようです。1級から3級まであり、誰でも受けることができますので、興味がある方は下記の公式サイトを参照の上、是非挑戦してみてください。私も今回2級に無事合格できたら、次回は1級を受けようかなと思ってます。