iPadでオモチャのブロックを使った遊びと学びを実現する『Tangiblock』とは

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スマホ活用術/アプリ紹介 | 2013年09月05日 | 5,455 views | Posted by vochkun

 ベネッセコーポレーションとMITメディアラボが共同開発した『Tangiblock(タンジブロック)』は、アナログとデジタルを融合させた新しい学習教材です。

 一見何の変哲もない知育ブロックのようですが、iPadの画面上に置くとことで、ブロックの種類、位置、向きを認識することができます。この仕組みを使うことで、iPad単体では実現できなかった「ブロック」という具体物を使ったアプリを開発できるようになるわけです。

Tangiblockを活用したアプリ例

 先日、都内某所でおこなわれたTangiblockの説明会に参加してきました。まだ試作段階でしたが、Tangiblockを活用した様々なデモアプリに触れることができましたので、簡単にご紹介します。

 上の写真のアプリは、ひらがなのブロックをiPadの画面に置くと、その言葉に合わせてイラストと音声が出力されるというもの。例えば「か」と「も」のブロックを並べて置くと「鴨」のイラストが出てきます。また「も」と「り」を並べて置くと「森」のイラストが登場するという具合です。

 こちらのアプリは、iPadの画面上の任意の位置に「あ」と「り」のブロックを置くと、「あ」のブロックの下からアリのキャラクターがたくさん登場して、「り」のブロックを目指して行進を始めるというもの。途中でブロックを動かすと、それに合わせてリアルタイムに動きが変わるので、動きを見ているだけでも楽しいアプリです。

Tangiblockの仕組み

 Tangiblockの裏面を見ると凹凸がありますが、この出っ張りの部分をiPadのマルチタッチの仕組みを使ってモニタリングすることで、最大で50種類のブロックを識別できるそうです。ただし、iPadのマルチタッチの制限(最大11箇所)により、同時に認識できるブロックは2個までになります。

 なお、上記の写真は開発中のプロトタイプということで、正式版では全体的に少しスリムになり、裏面の形状も変わるそうです。

Tangiblockを触ってみた感想

 まず言えることは、認識率と感度が素晴らしいということです。iPadの画面に置いた時もピタっとフィットします。この辺の感覚は、子どもは意外とシビアで、ちょっと反応が悪かったりすると、直ぐに興味を無くしたりするわけですが、Tangiblockはその心配はなさそうです。

 あとは、ブロックという具体物を使うことで、アナログとデジタルを融合させたユニークなアプリが実現できそうだということです。特に小さな子どもにとっては、「物を手でつかむ」ということは、大切な動作の一つなので、Tangiblockを導入する意義は多いにありそうです。

 また、アプリ開発者の視点で見た場合、iPadの画面サイズの制限を超えて「プレイングフィールド」を広げられるのは魅力的です。例えば、私がこれまで開発した「時計くみたてパズル」というアプリでは、いくつか選択肢の中から正解を選ぶという場面がありますが、選択肢が増えてくると、一度に画面に収まらないため画面をスクロールする必要が出てきます。もし、Tangiblockを使えば、iPadの周囲に置いたブロックから、より自然なカタチで回答を選ばせるということが実現できるようになります。

Tangiblockの課題と将来性

 大きな可能性を秘めたTangiblockですが、いくつか課題点もあると感じました。

 まず、上述したように同時に認識できるブロックは2個までという制限です。Tangiblockをひらがなや言葉の学習に使おうとしても、2文字までしか認識しないのでは、ちょっと厳しいものがあります。ただ、ブロックが置かれた順番をプログラムで記憶しておくなど、見せ方を工夫することで、何とかクリアできそうな気もします。

 あとは、Tangiblockが将来的にどのようなカタチで展開・普及されていくのか現時点では未知数といういことです。説明会では、こどもちゃれんじの会員や一般向けに販売する、学校や学習塾で活用する等の案が示されていましたが、ベネッセさん自身も今の段階ではハッキリしたことは言えないようです。ビジネスに関わる部分なので、アプリ開発者としては大いに気になるところですね。

 Tangiblock普及のためのキーポイントとなるのは、やはりキラーアプリが登場するかどうかだと思いますが、その可能性を探るため、ベネッセさんではアプリ開発者向けのプログラム「Tangiblock Developer’s Program」とアプリコンテスト「Tangiblock Application Award」を開催するようです。

 この開発者プログラムへの参加は有償となりますが、50個のTangiblockや開発に必要なSDK、イラストや音声などの素材の提供が受けられるようです。賞金総額70万円とのことなので、興味のある方は是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。参加申し込みは既に始まっており、9月末締め切りとのこと。また、企画だけで参加できる部門もあるようです。

 私自身は本格的にTangiblock対応のアプリを開発するかは分かりませんが、まずはウチの子どもに触らせてみたいので、この機会に参加しようと思っています。どんな反応をするのか楽しみですね。モノは11月中旬ごろ届くようなので、またブログでレポートしたいと思います。

この記事を書いた人:
Naoya Sangu @vochkun プロフィール詳細

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