障害がある方へのIT支援時に必要な配慮とは? 〜「IT支援者養成講座」参加報告その1

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活動レポート | 2011年10月18日 | 10,310 views | Posted by vochkun

 10月16日に練馬区心身障害者福祉センターでおこなわれた「障害がある方へのIT支援者養成講座」(主催:練馬区、実施:株式会社コミュニケート)に参加してきました。

 まさに今の私の活動にピンポイントな内容のセミナーで、とっても有意義な勉強の場となりましたので、2回に分けて記事にまとめてみたいと思います。

支援技術(Assistive Technology)とは

 セミナーの前半は、早稲田大学の畠山卓朗教授による講座「障害がある方へのIT支援時に必要な配慮と視点」がおこなわれました。(以下、ご本人の希望により「さん」付けでお呼びします!)

 まずは、「支援技術」の解説から。以下、私の主観も交えた要約です。

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)や高機能自閉症など、会話が困難な人のための代替コミュニケーションの手段として、以前から文字盤が使われてきました。板に書かれた文字を指し示すことで相手に言葉を伝えるものですが、聞き手としては示された文字を頭の中で言葉として組み立てる必要があるなど、理解するのが大変でした。

 そこで、VOCA(Voice Output Communication Aids)という装置が開発されました。音声出力コミュニケーションエイドとも呼ばれるもので、文字盤のボタンを押すと音声が流れたり、予め登録しておいた言葉を呼び出したりできます。これによって、コミュニケーション時の負担を大幅に軽減することができます。

 このVOCAも「支援技術(Assistive Technology)」の一種です。

ニーズを引き出すことの難しさ

 障害をもつ人に対して支援をおこなうときは、まずニーズを聞き出す必要がありますが、畠山さんによると、まずはその人の生活環境の全体像を把握する必要があるとのこと。

 障害者本人と直接ヒアリングをするときの注意点として、善意のつもりで勝手に言葉を先読みをすると大きな混乱の元になることがあり、これを畠山さんは「先読み問題」と呼んでいるそうです。あくまで「本人のペースに合わせてゆっくりと」が基本で、この問題はベテランの支援員ほど陥りやすいので特に注意して欲しいとのことでした。

 また、障害者は我慢することや諦めることに慣れすぎているので、なかなか本音を言ってこない人も多く、そういうときは「ダメ元で何でも言ってみてください」という風に聞くのが有効とのお話でした。

技術が人を助けるのではない

 畠山さんは長年にわたって重度障害者を自ら開発した支援機器によって救ってきましたが、その畠山さんが次のように語っていたのが印象的でした。

 「技術的な知識のある支援者は、どうしても最新の素晴らしいテクノロジーを知ると、すぐに使ってみたくなるが、技術が人を助けるのではない。技術はあくまで1つのツールでしかない。人の気持ちに応えること方がよっぽど大事」

 本人が必要としている支援は何なのか。それを見極めるには、本人の希望はもちろん、周辺環境への適合性、経済的事情などを総合的に考慮する必要があるということですね。じつに深い言葉です。

ロールプレイによるワークショップ

 プログラムの後半では、ロールプレイ形式のワークショップもおこなわれました。畠山さんが相談する立場の人を演じ、参加者が支援する立場の人になって、擬似ヒアリングをおこないます。

 会場には経験豊富なIT支援者の方が大勢いましたが、なんと私が指名されてしまいまして、皆さんの前で相談員を演じることになってしまいました!(汗

 せいぜい知り合いのおばさんにパソコンの使い方を教えたことがあるくらいで、もちろん障害をもつ人の悩み相談を直接受けたことなどありませんので、思いっきりドギマギしてしまいましたが、とっても貴重な経験となりました!

 ICTを活用して障害者の支援をおこなうことが私の活動の大きなテーマとなっていますので、その出発点とも言えるような素晴らしいセミナーでした。

 午後に続く後半のプログラムも素晴らしかったのですが、長くなったので、その2に続きまーす。

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