スマホ活用術/アプリ紹介 | 2013年03月07日 | 10,540 views | Posted by vochkun
2月23日に山梨県の富士ふれあいセンターにて、「携帯端末を応用した自閉症や知的障がいのある方への関わり方」と題して、講演&iPadを使ったワークショップをやらせてもらいました。
当日は特別支援学校の先生や保護者の方など約40名の方にご参加いただきまして大変盛況でした。ありがとうございました!
今回の講習会では、スマートフォン・タブレット端末の活用法、おすすめアプリの紹介に加えて、わが家での実践を踏まえた支援方法についてもお話させてもらいました。
アナログ・デジタル「いいとこどり」支援とは
うちの2人の息子には発達障害(自閉症スペクトラム障害)があり、それはもう毎日大変なわけですが(汗)、日頃よりアナログとデジタルを織り交ぜた学習支援・生活支援に取り組んでいます。
一例として、「文字・ことばの学習」を挙げてみると、
(以下、当日の発表資料より)
- アナログは、紙の教材+えんぴつ
- ローテクは、文字カード+ブギーボード(反復学習に超便利!)
- ハイテクは、もちろんiPad
という感じで、複数の学習メソッドを同時進行で取り組んでいます。
鉛筆を持つのが苦手な子どもの場合、文字の書き取り学習をおこなう前段階として、単純な直線や曲線をなぞる課題を延々と続けるケースがあります。もちろん、大切な練習だと思いますが、子どもにとってあまり面白い作業ではありませんし、その分だけ文字学習の開始が遅れてしまいます。
iPadを使ったなぞり書き学習であれば、鉛筆を持つのが苦手で筆圧が弱い子どもでも、指で画面をなぞるだけでキレイな文字が書け、楽しく学習を進めることができます。
しかも、iPadの学習アプリの中には、アニメーションや音声を効果的に使った楽しいものが多く、うちの子ども達にとっては、自宅学習をする上でのモチベーションの向上に役だっているように感じます。
参考までに、我が家で主に活用している文字なぞり書き学習アプリを紹介しておきます。
※アプリの価格は記事掲載時のものです。現在の価格や対応機種はApp Storeにてご確認の上、ダウンロードしてください。
モジルート (無料)
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ひらがな:こども ゆびドリル for iPhone (¥300)
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ひらがな:こども ゆびドリル (¥300)
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小学1年生かん字ドリル 楽しく学べる漢字シリーズ (¥200)
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書き取り漢字練習 (¥400)
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もちろん学習だけではなく、生活の中のあらゆる場面で、アナログとデジタルを融合した支援をおこなっています。その辺は、また追々ご紹介していきたいと思っています。
「紙とえんぴつ」と「タブレット端末」の素敵な関係
つい先日、とても興味深い調査報告を見かけました。
[ベネッセ教育研究開発センター] 学びとデジタルの融合「子どもの探究力を伸ばすタブレット端末の可能性 ~2つの実験から見えてきたもの~」
学習教材のデバイスとしてのiPad・紙・PCの特性比較 (2012年 赤堀侃司氏)より引用
これを見ると、「紙」と「タブレット端末」は見事に相互補完関係になっていることが分かります。
詳しくは上記の記事を参照してもらいたいのですが、簡単に言うと「紙」は、文章を読んだり、下線を引いたりするのに優れており、一方の「iPad」は画像を使った学習に適していて、しかも退屈せず、もっと勉強したいと感じる生徒が多いとのこと。
つまり、どちらか一方ではなく、アナログとデジタルの「いいとこどり」をしながら、同時進行で行うことが、学習機会を広げるという意味でとても有効ではないかと考えています。
以上、参考になりましたら幸いです。
蛇足ですが、上記の調査結果において、同じ情報量のデジタル教材を使用した場合、PCよりもタブレット端末の方が学習効果が高いという結果が現れています。これは情報端末のUI/UXの違いが学習効果に影響を与える可能性があるということを意味していると思われます。こちらも大変興味深いですね。